睡眠のお話
私たちの生活の中で、睡眠というのは大きな割合を占めています。それなのに、ついつい毎日のこととなると、睡眠についてないがしろにされている方が多いのはなぜでしょうか?
そんな睡眠についての基礎知識と上手な取り方、また睡眠に関わる疾患ついてお話してみたいと思います。
睡眠とは?
睡眠とは、自発的に生じる静的状態をいいます。人に必要な睡眠量には個体差があり、7~8時間が一般的です。
睡眠の目的は、心身の休息、記憶の再構成などにも深く関わっているとされます。
下垂体前葉は、睡眠中(ノンレム睡眠時)に2時間から3時間の間隔で、成長ホルモンを分泌します。
睡眠がないとホルモン分泌がままならないので、成長ホルモンの分泌が阻害されてしまいます。
子供の成長や創傷治癒、肌の新陳代謝は、睡眠時に特に促進されることが分かっており、 それ以外にも免疫力の向上やストレスの除去などの作用があります。
しかしながら、完全に解明されていない部分も多いのが現状です。
睡眠の深さと特徴
睡眠はその深さと特徴によって、レム睡眠とノンレム睡眠に分類することができます。
眠りに落ちると、まずレム睡眠が始まり、しばらくすると深いノンレム睡眠のステージに入ります。
レム睡眠とノンレム睡眠はセットで発生し、平均的には約90分サイクルで繰り返します。
ベッドに入ってから目覚めるまでの間、個人差はありますが、約80分~110分のサイクルで、レム睡眠とノンレム睡眠は交互に規則的に4~5回繰り返します。
6時間睡眠の人の場合、約90 分サイクルを4回繰り返しているわけです。この90分サイクルは、5歳~10歳程度の子どもの時期に形成されることがわかっています。
最初の約3時間はノンレム睡眠の占める割合が高く、その後はレム睡眠とノンレム睡眠は交互に発生し、起床が近づくにつれてレム睡眠の時間が長くなってきます。
■レム睡眠
レム睡眠とは、身体は休息状態なのに、脳は覚醒に近い状態で活動している睡眠のことです。
こうした睡眠状態においては、顔の筋肉が軽く痙攣したり、眼球が非常に速くグルグルと回ります。
男性の場合はこの時に勃起するのでEDのスタンプテストはこの寝ている時の勃起状態を調べるものになります。
※スタンプテストとは、寝ている間に勃起したかどうか?を紙テープや切手を貼り付けて、破れるかどうかで判断するテストです。
この特徴的な速い眼球の動き (Rapid Eye Movements) の頭文字をとって、REM (レム) 睡眠といいます。
眼球が動くということは、脳が活動している証拠です。
レム睡眠時は、脳は深い休息状態に入っていないため、夢を見ることが多いようです。
■ノンレム睡眠
ノンレム睡眠とはレム睡眠以外の比較的深い眠りの状態をいいます。
細胞の新陳代謝を高め、免疫力を強化する活動がノンレム睡眠の時間に行われているといわれています。
筋肉の活動は休止していませんが、脳は休息状態になります。
体温は少し低くなり、呼吸や脈拍はゆるやかになり、血圧も下がります。
ぐっすり寝ている状態ですので、多少の物音や軽くゆさぶられても目が覚めることはありません。
先程も書いた通り、この眠りの時にホルモン分泌が盛んに行われますので、ノンレム睡眠が出来ているかどうかは身体にとって、とても大事なことです。
ちなみに、うつ病患者の方の脳波を測定すると、ノンレム睡眠はほとんどなく、レム睡眠ばかりで 眠った気にならないという特徴があります。
良い睡眠をとるための工夫
良い睡眠をとるためには様々な工夫があります。
それをいくつかご紹介いたします。
1)寝る1時間前から照明を徐々に暗くしていく
照明を暗くすることにより睡眠を促すメラトニン分泌が活発になってきます。
2) 寝る1時間前には興奮するものは遠ざける
パソコンや仕事、アクション映画などは興奮してしまい、なかなか寝付けない原因になります。
3) 適度な運動は睡眠を促す作用がある
過度な運動は逆効果になることもあるのでご注意ください。
4) 就寝1時間前までに入浴すること
入浴すると、体温が上がり、就寝時に眠りに入りやすくなります。
5) 就寝前に難解な本を読む
これは言わなくても分かりますよね(笑)
6) トリプトファン摂取を心がける
トリプトファンは必須アミノ酸なので、基本的には食品中のタンパク質が多いほど多く含まれます。
肉、魚、豆、種子、ナッツ、豆乳や乳製品などに豊富に含まれています。
7) 心配事は寝床に持ち込まない
悩みは眠りを妨げる最大の的です。
寝る時には、楽しい事のみ考えましょう。
睡眠に関わる病気
睡眠に関わる病気は様々ありますが、特に注意が必要なのは、うつ病と睡眠時無呼吸症候群です。
うつ病やパニック障害のような精神疾患は、今や当たり前の病気になりましたが、その背景には、仕事でのストレス、悩みごと、そして忙しさにより食事の貧困化が原因の事が多いようです。
うつ病は、不眠症という症状で発覚する事が多いので、最近眠りが浅いなあとか、途中で目が覚める事が多い、寝ても寝た気がしないという場合には、その症状が出て来た段階で自分の生活習慣を見直すこと、そしてその上で医療機関に受診をされることをお勧め致します。
それから、まだまだきちんと啓蒙されていない病気に、睡眠時無呼吸症候群があります。
日頃、大きないびきをかいて眠っている人はほとんどが当てはまります。実はこの疾患、大いびきをかいて眠っているように思いますが、実は脳の酸素不足により、眠っているようで眠れていません。その結果として、お昼に強烈な眠気に襲われ、この疾患が原因で起きた大事故はとても多いそうです。
「睡眠」と「美容」は切っても切れない関係?!
女性の場合、「美容と健康」は永遠のテーマですよね。その中でも最も重要な要素が、「睡眠」なのかもしれません。
それは、睡眠時に皮膚や身体の組織の修復をしているからです。
"よく眠れた朝の肌"はハリがあるなと、自分でも分かりますが、これは成長ホルモンの分泌が十分で、しっかりと皮膚や身体の組織が修復されたということで、逆に眠れなかったり、徹夜すると・・・どうでしょう?(笑)
なにはともあれ、「質の良い睡眠の確保」が、美しさを保つ大原則のようです。
しかし、毎日、確実に睡眠がとれるほど世の中、甘くありません。そして、仕事や家事、通勤のストレスが体内に活性酸素を発生させます。肌に悪い紫外線も結局は、活性酸素の発生により、皮膚を傷つけます。
そこで活用して頂きたいのが、ザクロなどの果物由来のポリフェノールです。
強力な抗酸化力により活性酸素から細胞を守ってくれるからです。基本的には、睡眠をとり、きちんと食事をとることを心がけて頂き、プラスαの習慣として、ポリフェノールの力をうまく活用して頂ければと思います。